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SDアート代表の堀越です。

 

「展覧会の企画ってどうやってやるんですか?」

 

最近、このような質問を受けることが多くなりました。

確かに、一般の人には耳慣れない仕事だろうと思います。

写真は、弊社が企画を行い、先日まで日本3美術館を巡回した「新宮晋の宇宙船」展の兵庫県立美術館の様子です。

今回は、この展覧会企画について整理してまとめました。

 

展覧会を企画、開催決定するまでの大きな流れ

結論から言えば、以下のとおりの流れで行います;

①展覧会を行うアーティストを決定

→ ②展覧会の企画概要の決定

→ ③展覧会の企画書作成

→ ④各美術館へ企画書を持ち込み

→ ⑤各美術館による検討

→ ⑥開催決定

だいたい、以上のプロセスを経て、展覧会の開催を企図します。

弊社の大きな役割が、この立ち上げ〜開催決定までを、複数の美術館で取り付けることです。

簡単そうに聞こえるかもしれませんが、様々な要素が絡み合っているため、

開催を実現するまでには、本当に多くのハードルが存在します。

特に、彫刻展についてはあまりポピュラーではないため、なかなか開催実現のハードルが高いものが多いのが実情です。

 

海外作家の作品を持ってきて展覧会を行う場合

その中でも実現の難易度が特に高いものが、海外作家の展覧会です。

私自身が海外作家の展覧会をゼロから企画したものは、

2015年〜16年にわたって開催された「スペインの彫刻家 フリオ・ゴンサレス」展です。

 

※こちらの裏側の話(苦労話)については、過去記事で紹介していますので、そちらをご覧いただければと思います。

スペインの彫刻家 フリオ・ゴンザレス/展覧会実現までの道のり

 

やはり、海外作家の作品を所蔵している美術館などから作品を借用して、日本に持ってくること、

そして、それを展示すること、というのは莫大な予算や日数、多くの人の協力が必要となります。

ゴンサレス展は、全国4美術館にて開催しましたが、

まず4会場で開催する合意を取り付けること自体に20年以上かかっていますし(といってもこのようなケースは非常に稀ですが笑)、

また、作品を借用してくるまでの交渉についても5年以上を要しています。

そして、作品借用が決定し、作品を輸送する段階になってからも本当に多くのやるべきことがあります。

例えば、作品貸出交渉、契約締結交渉、輸送手配、クーリエのスケジュール調整・アテンド、輸入時立会い、各美術館への輸送、搬出入チェック・・・。

かなり大掛かりな作業になります。

現在も、あるフランスの彫刻家の展覧会を企画したいと思って動いていますが、

なかなか大掛かりな話ですので、まとめるのにまだまだ時間がかかりそうです。

 

美術館が展覧会を決める基準

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先日、六本木の国立新美術館では、現代美術の日本のトップスターである草間彌生さんの展覧会が開催されていました。

日本人として、世界的にももっとも有名なアーティストでしょう。

私も初日に伺いましたが、すごい人でした。

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終わってみれば、52万人を動員したとのことで、すごい記録です。

参考までに昨年2016年の展覧会の入場者数のトップ20についてこちらの記事にまとめられているのですが、

1位は、国立新美術館で開催された「オルセー美術館・オランジュリー美術館所蔵 ルノワール展」の66万7897人。

同館は2015年も「ルーヴル美術館展 日常を描く」で同様の約66万人を記録しています。

 

いずれにせよ、このランキングから何がわかるかと言うと、

「日本人は世界でも屈指の美術館好き」

「印象派を始めとするよく知られた名前が冠されているオルドマスターが好き」

ということです。

そしてその傾向は、ここ何十年も変わっていません。

美術館も慈善事業ではありませんので、入館者数をもっとも大事な物差しのひとつとして掲げます。

ですので、海外からわざわざ毎年何度も、同じような、見たことがあるような作品を持ってきて展示します。

それでも毎年、数十万人が見にきます。

少し悲しい気もしますが、しょうがないんですね、本当。

美の基準は、欧米が決めているから。日本人は自らの美の基準を持つことすら許されないような印象があります。

その中で、村上隆は本当に奮闘しています。賛否両論、むしろ否定的な意見の方が多いアーティストですが、

私はその振る舞いや作品を含めたブランディング、ブランド力、そしてプロデュース力など、多岐にわたるアーティスト力については、とても尊敬しています。

私もアートに携わる者として、彼のような強さや表現力を発揮させるような手腕を発揮したいと密かに思っています。

 

最後、ちょっと愚痴っぽい話になってしまいました(笑)が、

私も日本人が日本人として感じられる芸術に対する美意識を変えられるように、

知る人ぞ知る、素晴らしい展覧会をこれからも企画していきたいと思います。

フランスの芸術家 イヴ・クライン(Yves Klein)の青の世界/その霊性の源とは
私の仕事(アート以外)