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ごあいさつ
このたび、株式会社SDアートの取締役社長に就任いたしました。
当社は1970年代、日本で野外彫刻の機運が高まった頃に創業し、半世紀にわたり、彫刻を中心にアートの企画から設置・販売・保全までを一貫して手がけてまいりました。
私が当社に参画したのは2020年です。以来、美術展覧会や企画展のプロジェクト・マネジメントを主に担当してまいりました。2023年にはグループ会社の株式会社アルク出版企画の代表取締役に就任し、「文化を出版する」をミッションに、出版の仕事にも取り組んでおります。
出版の側から当社を見つめ直したとき、SDアートは「文化を創る」企業なのだと感じました。
では、そもそも文化とは何か。
私は「ヒト・モノ・コトの集合体」と捉えています。
一般的に文化とは、民族や社会の風習・伝統・思考方法・価値観などの総称で、世代を通じて伝承されていくもの、とされています。
これを「当社の現場」に置き換えると、3つの要素になります。
作品を生み出す作家と、それを迎え入れる人(ヒト)。
作品そのものと、それが置かれる場所(モノ)。
その土地の地形や気候、刻まれてきた歴史(コト)。
すぐれた作家がいるだけでも、美しい場所があるだけでも、「文化」とは呼べません。
芸術は、作家の視点から生まれます。生まれた時点では、ひとつの点です。置かれる場所の成り立ちや、その土地に刻まれてきた歴史という「ヒト・モノ・コト」の3点が結びついて、はじめて面になる。そして、それが世代を超えて受け継がれていくとき、私はそれを「文化」と呼べるのだと考えております。
当社がこれまで手がけてきた野外美術館や彫刻公園の企画、建築空間のアートワーク、展覧会の企画、作品の売買。そして、設置したあとの保全。これらはいずれも、点を面に変える仕事です。
とりわけ保全(メンテナンス)は、その要にあたります。
とくに屋外の彫刻は、置いて終わりではありません。風雨にさらされ、時代が移り、関わる人が入れ替わってもなお、その場所の作品であり続けるには、手をかけ続ける必要があります。
次の世代に渡すところまでを引き受けて、ようやく文化になる。当社が保全までを事業に含めてきたのは、そのためです。
ゆえに当社は、「芸術を扱う」だけではなく、「文化を創る」事業を担ってきた企業だと考えております。
文化を創る仕事は、1人では成し得ません。そのため、当社は行動指針として5S(厳格さ・誠実さ・迅速さ・戦略性・自己管理)を掲げ、案件ごとに最適なチームを組むプロフェッショナル集団であることを目指してきました。
志を共にする者たちとともに、これまで培ってきたものを守りながら、彫刻販売の新たな仕組みづくりや地域の文化芸術事業など、次の半世紀に向けた取り組みを進めてまいります。
変わらぬご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
株式会社SDアート
取締役社長 加納 亜美子
Profile
プロフィール
株式会社SDアート 取締役社長
加納 亜美子
Amiko Kano
塾講師、洋食器輸入会社での勤務を経て独立。SDアートでは、美術展覧会や企画展のプロジェクト・マネジメントを主に担当。グループ会社のアルク出版企画では「文化を出版する」をミッションに、書籍の企画・編集を手がける。グループ事業全体を通して、毎年20を超えるプロジェクトのマネジメント、年間平均10冊の書籍編集、執筆を担当。学芸員資格保有。西洋陶磁史研究家としても活動中。
共著に『あたらしい洋食器の教科書 美術様式と世界史から楽しくわかる陶磁器の世界』(2022年)、『あたらしい日本洋食器の教科書 日本史とデザインで楽しくわかる「やきもの」文化』(2024年、翔泳社)。監修本に『世界の食器図鑑』(2025年、平凡社)、執筆担当に『名建築の見かた図鑑: 様式・思想・パーツでひもとく』(2026年、河出書房新社)、編集担当に『マンガで学べる中村天風の成功の法則』(2026年、Gakken)他多数。
