SDアートの堀越です。
今後ますますその重要性、必要性が高まってきそうなリベラルアーツ(Liberal Arts)。
今回は、このリベラルアーツについて、ご紹介していきます。
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リベラルアーツとは?
直訳すると、「自由の術」。言い換えると「自由に生きるための術」です。
明治時代の啓蒙家の西周(にしあまね)は、リベラル・アーツを「藝術」と訳したことがよく知られています。
では、広辞苑ではどのように記載されているかというと、
「ギリシア・ローマ時代からルネサンスにかけて一般教養を目的とした諸学科。すなわち文法・修辞学・論理学(弁証法)の3学および算術・幾何学・天文学・音楽の4科の7学科」
と定義されています。
もともと、このギリシャ・ローマ時代からルネサンスの時代には、社会システムとして奴隷制を基盤としていました。この「奴隷」から解放され、「非奴隷」になるために必要な学問としてリベラルアーツが認められていたという背景があります。
従って、当時の意味としては、
『人間(奴隷)を束縛から解放する(非奴隷)ための術としての学問』
という意味合いとしてリベラルアーツが認知されていました。
現代日本では、「教養」として訳されることが多いリベラルアーツですが、源流をたどれば、
「人間が自由を獲得し、イキイキと生きていくために学ぶべき術」
と言い換えることができるかと思います。
現代日本には奴隷制度はありませんが、例えば、お金の奴隷になっている人や、会社の奴隷になっている人が少なくありません。
このような「支配下で生きていく」ではなく、自ら人生を主体的に捉えより良い人生を生きていくための、「自由」を獲得するための技術。それが現代のリベラルアーツの意味であり、果たすべく大きな役割となるのではないかと思います。
「リベラルアーツは必要」と感じている経営層が大多数
リベラルアーツの必要性を論じる際に、様々な調査が行われています。
例えば、リクルートマネジメントソリューションズが2014年に行ったリベラルアーツの調査があります。
対象は日本の部長以上の経営職、管理職 131名(所属企業の従業員規模500名以上、最終学歴大卒以上)であり、リベラルアーツの認知度や理解度、そして、必要性などについて調査を行いました。
(出典:https://www.recruit-ms.co.jp/research/journal/pdf/j201408/m36_research.pdf)
この調査によれば、
「リベラルアーツが必要」と認識している割合は、8割強という結果になりました。
また、アメリカのAssociation of American Colleges and Universities による会社経営者320名を対象とした調査では、74%の経営者が、従業員をさらにイキイキとした状態にしていくためには、21世紀型のリベラルアーツ教育を行うことを推奨するという結果になっています。
(出典:https://www.cnbc.com/id/100642178)
さらに、「リベラルアーツ学習経営者」と「息の長い成功」には相関があるという調査もあります。
これらの調査結果を待たずとも、特に今後の世の中を想定した場合、リベラルアーツの必要性を直感的に感じることができている方が大多数ではないでしょうか?
リベラルアーツの必要性は、特にこの10年で急速に高まってきています。
これは、以前、「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」について言及した際に記載している通りです。
※世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?経営におけるアートとサイエンス
https://sdart.jp/archives/1526
つまり、環境変化のスピードがどんどん早くなっていくことにより、その変化に対応していくには、
「自分なりの価値観や軸、そして、美意識」を確立し、高め続けていくことが更に必要とされているからです。
リベラルアーツは、このような時代に対応するために、特にリーダーに今後ますます必要とされる「術」なのです。
では、リベラつアーツを学ぶ必要性についてどのような理由があるのでしょうか?
リベラルアーツの必要性/なぜリベラルアーツが必要か?
リベラルアーツは、なぜ必要なのでしょうか?
これも前出のリクルートマネジメントソリューションズの調査結果から以下の通り述べています;
リベラルアーツは何の役に 立つかを選択式(複数回答)で たずねたところ、「多様なものの 見方ができるようになること」 (61.1%)、「意思決定における自分の軸を作ること(」51.9%)が 半数を超える回答となった。
上 位に回答されたものとしては、 「持論を形成すること(」42.0%)、「変化に対応すること(」35.9%)、 「海外の異文化を理解するこ と(」31.3%)、「人間力の向上」 (31.3%)などが続く。
何らかの選択肢を選んだ回 答者に対して、1位から3位の 優先順位づけを求めたところ、1 位から3位の合算で最も多かっ たのは、前問同様、「多様なもの の見方ができるようになること」 であったが、1位の選択率が最 も高かったのは「意思決定における自分の軸を作ること」という結果となった。
つまり、要約すれば、リベラルアーツについて、
①「意思決定における自分の軸を作ること」
②「多様なものの見方ができるようになること」
③「持論(自分なりの意見・ 実践的理論)を形成すること」
という3つの必要性が上位に列挙されています。
私なりにこの3つの意見を咀嚼すると、
リベラルアーツを学ぶことにより、
「多様な良質なインプットを行い続け、それを自分軸で変換し、アウトプットすること」
という一連の行為が見えてきました。
つまり、
・自分の専門とは異なる業界や知識を吸収することを通じて、物事を捉える幅を拡げ、
・自分の軸を確立しながら、
・ビジネスや経営に生かしていくアウトプットを行う
という流れです。
言い換えれば、特に経営者やそれに準じる方達は、私を含め、
・物事の見方が単一的で、いつも同じような見方しかできていないと感じている
・意思決定の軸がなく、ぶれてしまう
・なので、持論がなく、人の意見に流されてしまう
という悩みを抱えていると言い換えることができます。
リベラルアーツは、このような悩みを解決してくれる、ひとつの光明だと言うことができるかもしれません。
リベラルアーツの学び方
では、このような悩みを解決してくれるリベラルアーツはどこで学ぶことができるのでしょうか?
日本において学べる場所は、以下のアスペン研究所が有名です。
また、他にも大学などで社会人向けの講座をやっているところがあるかと思います。
http://admissions.obirin.ac.jp/entrance_exam_guide/application/non-traditional_students/
このような場所で総合的に学ぶ、ということも一つの学び方ですが、
なかなか「時間」や「決意」が必要な投資となるかと思います。
現在では、日本においてなかなか気軽にリベラルアーツを学べる場所というのは少ないかと思います。
私も、アートビジネスを行っていく上で、リベラルアーツの中でも
「藝術」「アート」
を集中的に学ぶ必要がありましたが、結局、書籍や美術館やギャラリーをまわりながら、独学で学んできました。
そのような経験から、
「芸術分野について、短期間でざっくりと学ぶことができ、また、それらを経営に活かせる場所はないだろうか」
と考えてきました。
そして、「今世の中にないのであればそれを自ら創り出してみよう」
という考えにシフトしていきました。
そこで、
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リベラルアーツの必要性は、今後も高まっていくことと思います。
その理由等については、以下の記事でも紹介していますので、合わせてお読みいただけたらと思います。
※【教養としてのアート】世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?経営におけるアートとサイエンス