「アートに興味があるので、本を読もうと思っている。
しかし、何から読もうか・・・」
「オススメアート本の一覧があると助かる!」
「アートを一から学びたいんだけど、何を読んだらいいですか?」
アートに関する書籍は本当にたくさんあるので、
何を手に取るか迷う方も多いかと思います。
私も独学でアートを勉強してきたのですが、
私の場合は直感で色々と手にとってきました。
おそらく100冊以上は読んできたと思うのですが、
その経験から、以下の9冊をオススメしたいと思います。
Contents
現代アート事典 モダンからコンテンポラリーまで……世界と日本の現代美術用語集
現代アートに興味がある方が最初に読むと、
イラスト等が入っているので分かりやすいかなと思うので、
この「現代アート事典」がオススメです。
私も実はこの本から本格的に現代アートの世界に入って行きました。
よかったポイントは、
・イラスト、写真が入っていて、見開きで1つのコンセプトが完結する分かりやすさ
・時代や新しい潮流などの「流れ」が分かりやすい
という点です。表面的にさらっと眺めて行って、
そのあとに、興味のある分野について深掘りしていくことで、
アートの世界が広がっていくと思います。
初心者向けの本です。
▼現代アート事典 モダンからコンテンポラリーまで……世界と日本の現代美術用語集
現代アーティスト事典 クーンズ、ハースト、村上隆まで──1980年代以降のアート入門
1の現代アート事典がどちらかといえば、
「流れ」「塊」
でみているのに対して、このアーティスト事典は、
「ヒト」
を中心に紐解いていきます。
上記の現代アート事典と合わせて読むことにより、
アートワールドの輪郭が見えてくると思います。
特に1980年代以降のアートが中心ですので、
まだ現役で活躍している方も多く、
現在のアートの世界がどのように成り立っているのか、片鱗を理解できる良書です。
▼現代アーティスト事典 クーンズ、ハースト、村上隆まで──1980年代以降のアート入門 (BT BOOKS)
現代アートへの敷居を低くしてくれる入門書籍「めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード」
イラスト入りなので、親しみやすく、敷居が高いと思われがちな現代アートが身近に感じられる内容です。
先述した1、2よりも、さらに初心者向けな内容と言えます。
1と2で満足した人にとっては、物足りなく感じるかもしれないけれど、
イラストなので柔らかくて、なんとなくもっと「スッと」腹に落ちていく感じが得られるかもしれません。
実際、この本は私の息子(8歳)の愛読書です(笑)
「草間彌生、水玉すごい!」
「バンクシーって、この間テレビで話題になってたアーティストだよね?」
こんなやりとりが交わされるようになります(笑)
▼めくるめく現代アート イラストで楽しむ世界の作家とキーワード
美術鑑賞の方法論をまとめました
手前味噌ですが、拙著をご紹介します。
美術鑑賞の方法論をまとめた本になります。
「美術は感性のある人にしか楽しめない」という誤解がはびこっています。
しかし、本書で紹介する5つのフレームワークを用いて美術鑑賞を行うことで、
「静止画」だった作品が、「動画」に変わっていく。
こんな感覚を味わえるようになる方法論を紹介しています。
▼論理的美術鑑賞
少し難解に感じるけど、超巨匠たちの絵画ヒストリーを学ぶには最適な2冊
大原美術館の名誉館長でもあり、
日本美術界の「生きるレジェンド」とも言える高階秀爾氏による書籍。
現代アートを鑑賞していても、
歴史をつくったアートの巨匠たちの作品の引用(オマージュ)が、
随所に現れてきます。
現代アートを読み解いていくには、
近代美術の知識は不可欠。
その流れを網羅的に学ぶことができるのが、この書籍です。
私は迷わず上下巻を一気に購入しましたが、
この内容を、この値段で購入できるのはとてもリーズナブルだと思います。
内容は、アーティストの名前がどんどん出てくるので、
例えば、今やっている近代の巨匠の展覧会を見に行く前に、
そのアーティストのことが書いてある箇所を読んで、
美術館に行く。
おそらくこれだけで、
結構すんなり頭に入ってきて、絵画を読み解けるようになると思います。
現代アートを読み解くにも「過去の歴史」「流れ」の知識がインプットされていることにより、
何倍も面白くなりますよ。
▼カラー版 – 近代絵画史(上) 増補版 – ロマン主義、印象派、ゴッホ (中公新書)
▼カラー版 – 近代絵画史(下)増補版 – 世紀末絵画、ピカソ、シュルレアリスム (中公新書)
日本人は「なぜ印象派が好きか」がわかるようになる本
印象派は、1870年代に登場してきますが、
登場してきた当初は、
「キワモノ」扱いされ、ボコボコに批判されました。
しかしその批判の結果が、
印象派という名称を生み、
革命を産んだ。
そんなプロセスが事細かに書かれている書籍です。
印象派の絵画は日本人がとても好む絵の代表格ですが、
なぜこんなにも日本で印象派の人気が高いのか?
その答えが随所に散りばめられていますし、
実は、日本人が印象派の画家に大きな影響を与えていたことがわかります。
大人の教養として、印象派好きとして、知っておくべき教養書。
▼印象派という革命 (ちくま文庫)
アート産業を概観する本
六本木で画廊を経営するShin Misaさんが2008年に書いた、
アートマーケットを概観する本。
アートマーケットの事情やマクロの状況などを見るには、
少し古いが、この中でアート界の常識を見ておくと良いかも。
また、海外の最新情報などがどこから発信されているかなどの情報も掲載されていて、
これからギャラリーを始めたり、アートビジネスに関わろうと思っている人は目を通しておくと役立つ内容が詰まっています。
▼アート・インダストリー―究極のコモディティーを求めて (Arts and Culture Library)
東京画廊という老舗画廊の代表が書いた「アートと資本主義のつながり」
銀座の老舗ギャラリーの代表である山本豊津さん。
最近、Newspicksなどでも取りあげられ始めている注目の人。
日本のアート界を古くから牽引してきたギャラリストが書いた本。
アートと自動車産業の関わり、経済の行方など、
「アートから未来を予測」することが可能というひとつの側面を提示してくれる本。
アートビジネスに関わりたい方は読んでおいた方がよいかも。
▼アートは資本主義の行方を予言する (PHP新書)
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」
思いっきり影響を受けた本。
電通やコンサルといったキャリアを持つ山口さんが書いた「美意識」の本。
私が書いた感想は、こちらにたっぷりあるので、ご参照ください。
このような風潮がこれからの7年、さらに顕著になってくると思います。
つまり、それは、「論理」だけではなく、「美意識やセンス」が羅針盤となる世界。
その世界を生き抜いていくには、自分のセンスや美意識といった羅針盤を磨いておくこと。
その一役を担うのが「アート」です。
私も、この書籍に思いっきり影響を受け、アートプログラムを開発しました。
これからの時代、自分の美意識やセンス、感性をどのように磨いていくか、
これはアート本を読んで、様々な見方を吸収していくことに加え、
自分が感じたことを積極的に対話していくことが非常に重要と考えます。
本日ご紹介した9冊は、
私の人生を豊かにしてくれた9冊です。
もしよろしければ読んでみてください。
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