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26聖人殉教者像・長崎県



戦後の彫刻界を代表する彫刻家である舟越保武(ふなこし やすたけ、1912年-2002年。岩手県一戸町出身)。

カトリック信者でもあり、その作品はキリスト教関連のものが非常に多いという特徴があります。

多くの作品は、岩手県立美術館に所蔵されており、美術館の玄関前には舟越保武の代表作のひとつ「道東の四季・春」が設置されています。

今回は、戦後の彫刻界を牽引した舟越保武の功績について、取り上げます。

 

舟越保武とは?

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舟越保武は、戦後の具象彫刻の流れを汲みながら、自身が洗礼したこともあり、キリスト教に関連する作品を数々制作していきました。

その代表作が、1962年に長崎に制作された「二十六聖人殉教者像」です(所在地:〒850-0051 長崎県長崎市西坂町7-8)。

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豊臣秀吉の時代、キリシタン禁止令が出された結果、捕縛され十字架に架けられ処刑された26人の殉教者。

これをモチーフとして舟越保武が制作したのが、このモニュメントです。

高さ5.6m、幅17mにも及ぶ26名の等身大の像は、圧巻です。

この作品により、高村光太郎賞を受賞し、一躍、時の人となりました。

ちなみに、舟越保武は、高村光太郎が翻訳したロダンの言葉を読んだのがきっかけで彫刻家を目指しました。

この受賞はご本人にとっても非常に嬉しいものだったと想像に難くありません。

 

ちなみにですが、

舟越保武の息子は、今や世界中で活躍する彫刻家である舟越桂さんです。

その木彫の彫刻から醸し出される人体の生々しい雰囲気は、見るものをあっと引き込むほどの生命感を内在しています。

 

保武さんは主に、大理石やブロンズといった素材で制作をしていましたが、桂さんは木彫でご自身の境地を拓かれたと言えます。お父様が偉大すぎて大変長い間苦悩されたようですが、今や世界的な彫刻家としてご活躍されていて素晴らしいですね。

 

ライバルであり終生の親友・佐藤忠良

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舟越保武と共に、戦後の彫刻界を代表する彫刻家・佐藤忠良。

以前、ブログでも取り上げました(日本を代表する彫刻家・佐藤忠良 → http://sdart.jp/archives/265

実はこの二人は大学時代に出会い、それ以降も長きにわたって友情関係を育むと共に、ライバルとしてお互いを尊敬していました。

舟越保武は、理想的な女性像をモチーフとし理想の美を追求しました。佐藤忠良は、モデルを立て人間の人体のわずかなバランスを追求して、理想の美を追求しました。

そんな二人は、東京美術学校を卒業後、新制作協会の彫刻部の立ち上げに関与し、本郷新や柳原義達といった先輩彫刻家と共に、戦後彫刻界の新たな潮流を作る一員となっていきました。

 

舟越保武の生涯

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このように、戦後彫刻界を牽引する存在として数々の傑作を世に出してきた舟越保武は、

「原の城(1972)」「ダミアン神父」「りんごを持つ少年」「LOLA」「聖クララ」などを次々と世に送り出してきました。

その後も活躍を続けていた舟越保武でしたが、

1987年に脳梗塞で倒れ、右半身がマヒしてしまいます。

しかし、その後も2002年89歳で亡くなるまで左手一本で制作を続けました。

左手一本でも制作し続けたその作品は、とても荒々しく、これまでの舟越保武の彫刻とは一線を画する作品を次々と生み出していきました。その作品は、作家が最後まで魂を込め生命を注ぎ続けた結晶として、今でも私の目に焼きついています(写真がなくて申し訳ないのですが、是非、岩手県立美術館に所蔵されている「ゴルゴダ(1989)」を検索または直接美術館でご覧いただけたらと思います。

 

舟越保武の作品

・26聖人殉教者像@長崎県

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・道東の四季「春」(岩手県立美術館前)

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・秋田県 田沢湖<たつ子像>

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・原の城@宮城県美術館

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舟越保武彫刻展 まなざしの向こうに

図録 舟越-信仰と詩心60年

写真は、1993年に行われた「ー信仰と詩心の彫刻60年ー舟越保武の世界展」です。

最近話題になったのは、2015年、舟越保武の巡回展が岩手県立美術館、郡山市美術館、そして、練馬区立美術館で開催されました。

この展覧会は、皇后陛下がご覧になられたことが話題となり、大変な盛況ぶりで幕を閉じました

(詳しくはこちらをご参照ください)。

死後、10年以上経ってなお愛される舟越保武の魅力は、引き続き多くの人を魅了してやみません。

 

 

いかがでしたでしょうか。

舟越保武さんは、私も2度ほどお会いしたのを覚えています。

まだ小さい頃なので記憶が大変曖昧ですが、佐藤忠良先生と共に談笑していたのを今でも思い出します。

これからも舟越保武作品が多くの人に愛され続け、多くの人の手に渡るよう尽力していきたいと思います。

 

舟越保武・略歴

1912年 岩手県二戸郡一戸町小鳥谷に生まれる。父親は熱心なカトリック信者

1939年 東京美術学校彫刻科を卒業。このとき佐藤忠良と出会う

1950年 長男が生まれて間もなく急死。これを機に、カトリックに帰依、キリスト教信仰やキリシタンの受難を題材とした制作が増える

1962年 長崎二十六殉教者記念像完成。第5回高村光太郎賞受賞

1967年 東京芸術大学教授に就任。1980年までの間、東京芸術大学教授。

1972年 第3回中原悌二郎賞受賞

1973年 ローマ法王より大聖グレゴリオ騎士団長賞受賞

1978年 芸術選奨文部大臣賞受賞

1980年 東京芸術大学を退官。翌年多摩美術大学教授となる

1983年 「巨岩と花びら」で日本エッセイストクラブ賞受賞

1984年 勲4等旭日小授章授章 個展(札幌芸術の森、いわき市立美術館ほか)

1986年 東京芸術大学名誉教授に

1987年 脳梗塞で倒れ、右半身が不自由になったが、すぐにリハビリを開始。死の直前まで左手で創作を続けた。

1999年 文化功労者

2002年 死去(享年89歳)

 

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